「世界を変えるAIに新しい価値観で向き合うのが大事」/ファースト写真集「a/i/o」に込めたパピコの想いとは

その美貌と二次元に見紛うスタイルで「会えるAIグラドル」としてSNSを中心に話題となっているパピコが、初めての紙媒体の写真集「a/i/o」を発売した。本人も「覚悟と決意が詰まった、今までの活動の集大成であり、ここからがパピコのスタート」と評する本作は、タイトルや構成、装丁の細部に至るまでこだわり抜かれている。インタビューで、そのキャッチフレーズやタイトルにもある「AI」、最新テクノロジー、仕事や自身の在り方と向き合うパピコの強い意志を垣間見ることができた。

パピコのキャッチフレーズは「会えるAIグラドル」。AIの弱点を突く秀逸なフレーズだ。実は、2022年11月にOpenAIから「ChatGPT」が公開された当時、その挙動に衝撃を受けた時からAIに対する興味を持ち続けてきたという。

「ちょっと試しに使ってみて『こんなものができたんだ』って衝撃を受けたのがちょうど1年くらい前。質問を投げかけたら、それに対する答えをパーフェクトに返してくれる。『こうしたほうがいいと思います。そのためにはこういうことを先にやったほうがいい』とか。そのとき、これはiPhoneが世に出た時を超える衝撃が世界に走るぞと直感しました。仕事も価値観も変わるだろうなって。それと同時に、もし“芸能”っていう自分のお仕事と融合してやっていくとどうなるんだろう、何か面白いものが作れるんじゃないかって思ったんです」

やがて世の中に生成AIが生み出した“AIタレント”が進出しはじめると、周囲からAIを恐れる声が聞こえるようになった。

「『AIに勝てるわけない』とか『仕事がなくなる』って声もよく聞きますし、実際、飲料のCMにAIタレントが出演したり、雑誌のグラビアページや表紙にAIアイドルが載ることも増えてきて、AIが取って代わることができちゃう仕事はあるんだろうなと思います。でも、まだAIには表現できないこともたくさんある。肌の質感とか肉感とか。それに、演技という領域でいうと、心の奥底で思っている複雑な感情・・・笑顔で『全然大丈夫だよ』って言ってても本当は大丈夫じゃないとか、こういう表現はまだ人間にしか出せないものだと思うんですよね。だから、AIのような新しい技術を恐れるんじゃなくて、それをうまく作って何ができるのか、とか、新しい価値観で向かい合うことが大事。まだ自分しかやっていないようなことをやる、そういう意気込みもあって、写真集にも『AI』という言葉を入れたんです」

自身初となる写真集のタイトルは「a/i/o」。これは、「papico」の母音を取ったものと、「AI」とのダブルミーニングになっている。

「パピコっていう名前は、一番はアイスの『パピコ』が大好きで、子供のころからずっと冷蔵庫にいっぱいパピコが入っているから、それが9割なんですけど(笑)。でもインパクトもありますし、アイスの『パピコ』みたいに“幸せもシェアしたい”という思いで付けました。それに、やはりこれからAIって確実に世の中を変えていくものだと思っているし、自分もこの先AIを使ったビジネスみたいなところも深く考えているので、写真集にその言葉を入れたのもその決意を込めたかったからです」

AIをはじめデジタル志向の強いパピコが、あえて紙の写真集にこだわったのにも訳がある。

「デジタル化が進んでいくと、利便性はすごく良くなっていくと思うんです。いつでもどこでもスマホがあれば見られるし、持ち運びができるし。でも、利便性が良くなればなるほど、人ってそのありがたみが欠けるようになると思うんですよ。私、おばあちゃんからずっと手紙をもらってるんですけど、その手紙はただ一つ、そこにしかない。だから濡れないように、汚さないように大切にしまうんですよね。でも、これがメールのテキストデータだったらどうかなって。まあ、いつでも読み返せるしバックアップもとれるから、それはそれでいいのかもしれないけど(笑)。でも、手紙みたいに雨に濡れたらおしまいだ、って思って大切に保管するものがあるからこそ、そこに価値が生まれると思う。今回の写真集も、私の覚悟と決意が詰まっているからこそ、手に取ってくれた人の宝物になってほしくて、やっぱり紙で、って思ったんですよね」

©KADOKAWA/写真:藤本和典

写真集の企画が走り出してから、スタッフ一丸となってパピコの想いを具現化してきたという。

「みんなの力が合わさった、みんなの集大成っていう感じ。『これを使ったらどうかな』とか『こういう衣装ならどうかな』とか、私が思っていることをみんなが広げてくれたというか。本来なら、体のラインがはっきりわかるアップの写真とかが多くなると思うんですけど、そうではなくて、写真全体が一つのストーリーを持っていて、私自身は小さく映ってるんですけど、全体として美しい写真だったり。『みなさんについていきます!』って気持ちになりました。これから、いろいろなパピコを見せていきたいから、このファースト写真集が、パピコのスタートだと思っています」

これから先、パピコはどのような姿を見せてくれるのか。

「『女優のパピコです』とか『グラビアアイドルのパピコです』とか、そういうカテゴリーに捉われたくないなと思っています。これで頑張りたい、とかではなく、何でもやっていきたいし、できるようになりたい。スタイルが良くてかわいくて、演技ができて、っていう人はたくさんいると思うんですけど、そんな中でパピコという存在をどうやったらみんなに知ってもらえるかな、って考えたときに、自分にしかできないもので勝負したいという思いが強くて。AIもその一つです。人間である自分だからできることって、演技もそうだし、いろいろあると思うんですけど、それをもっともっとレベルアップしていって、できないところはAIが補えばいいんじゃないかなって。だから、自分とAIが一緒にビジネスしていけたらいいなって、そういう風に考えてるんですよね」

プロフィール
1999年5月25日生まれ。石川県出身。
2022年「ミスヤングアニマル2022」でグランプリを受賞。各グラビア誌にも多数出演。ほか、MBSドラマ「体感予報」日吉アイカ役、ドラマ「すんドめ」桜庭京子役で出演。
公式 X(旧Twitter):@papico__maru
公式 Instagram:@papico__desu

写真集概要
【タイトル】パピコ1st写真集「a/i/o」
【発売日】発売中
【定価】3,300 円(税込)
【仕様】A4判/96ページ
【撮影】藤本和典
【発売】株式会社KADOKAWA

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