デジタルで“体温と湿度”を伝える/似鳥沙也加が語る作品づくりの信念

11月21日、似鳥沙也加の最新電子作品『似鳥沙也加 ふれあ、/ふりる。』が発売された。電子作品では異例の沖縄ロケを敢行。テーマは「体温と湿度が伝わる表現」。汗や息づかいまで映し出すような撮影に挑んだ彼女は、自分の「好き」を軸にしながらも、ファンから届く声や期待を作品に込めたという。SNSではできない表現、チームだから叶えられる表現を込めた意欲作への思いを聞いた。

これまで数々の作品をSNSや電子媒体で発信してきたが、作品のオンライン展開は、いつでもどこでも見てもらえることが最大の良さだと語る。

「ファンの方から『仕事でつらい時に見て癒されています』『ほっとしました』といった声をいただくことが多くて。思い立った時にすぐ見てもらえる“身近さ”が、電子作品ならではの魅力だと思っています」

今回制作された作品のテーマは「体温と湿度が伝わる作品」。舞台となった沖縄の夏は、容赦ない暑さだったというが、その過酷さこそが今回の表現に欠かせない要素だった。

「汗の一滴一滴だったり、沖縄の蒸し暑さを表現できるように、という点にこだわりました。表情とか汗の見え方とか・・・肌の質感といったところまで、編集者さんやカメラマンさんと現地でたくさん試行錯誤しました」

普段は自撮りで作品を制作することが多い彼女だが、「自分だけで撮ると、どうしてもアイデアの幅が狭くなる」という。SNSでの発信は手軽で自由度も高いように見えるが、実際には規制も多く、「やりたい表現ができない場面も増えている」と明かす。

「自分で撮ると、自分のアイデアだけで完結しがち。それに、SNSでは肌の表現に対する規制もあって、自分がやりたい表現が自由にやれないな、ということも多いんです。でもチームで作品を作ると、周りからの意見や提案があって、表現の幅が広がります。だからこそ今回は、衣装やテーマのアイデアを自分から出して、『本当にやりたい表現』をたくさん詰め込むことができました」

創作の源泉にあるのは常に「好き」の感覚だ。「『みんなこれ好きって言ってるよね』というものより、自分の好きなものを中心に発信したい」と語る。Instagramを始めたきっかけも、自身の好きなアーティストへの思いを広く共有したいという思いからだった。

「今回の作品にも『好き』がたくさん詰まっています。着たい服、表現したい世界観、自分の好きなテイストをたくさん反映しました。これからも、自分の『好き』を表現できる作品、がんばった・大事だと思える作品を、一つでも多く残していきたいですね」

創作の過程で刺激を受けるものについて尋ねると、彼女は海外の写真作品をよく見ると話す。

「特に女性を撮った写真作品が好きで、構図や雰囲気に刺激を受けています。そういう意味では、ファンの方の反応から学ぶこともすごく多いんです」

SNSを通じて寄せられるファンの反応も大きな影響力を持っている。

「みんな本当にマメにコメントをくれるし、ご自身の嫌だったことやつらかったことを打ち明けてくれる人もいる。でもイベントで直接会ったときは、きっとつらいこともあるだろうに、私を気遣って『作品を出してくれてありがとう』って言ってくれるんです。その優しさに触れるたびに、優しさとか一生懸命頑張ることの大切さとかをファンの方々に教えていただいています」

彼女にとってファンイベントは特別な時間だ。

「ファンの方に会える時間が、私にとって一番幸せなんです。だから一回でも多くイベントを開催したい。直接声を聞けることは本当に大きな力になります」

作品が海を越えて届くこともある。台湾の雑貨店に作品集が飾られ、それを見かけたことがきっかけでアパレルブランドのモデルに起用されたエピソードは印象的だ。

台湾の雑貨店に、たまたま私の作品集が飾ってあったらしくて、(オファー主は)ロサンゼルスから台湾に旅行に行ったときに偶然それを見て私を知ってくれたそうです。そんな出会いもあって、海を越えて届くのはすごく面白いし嬉しいです。距離が関係ない時代なんだなって実感します」

改めて、今回の作品タイトル「ふれあ、/ふりる。」に込めた思いを聞いた。

「ドレスを仕立てるように、繊細に、丁寧に作られているということを表現したくて名付けました。光や空気のニュアンスを大切にして、全員で一枚一枚を積み上げていきました。今日の衣装もそれを意識しているんですよ。撮影では、沖縄が本当に暑くて・・・長くいると倒れそうなので、カメラマンさんの“ワンシャッター”って言うんですかね、1回のシャッターを無駄にしないように集中ながら、本当に『がんばった』と言える撮影ができました。体力的には大変でしたけど、そのぶん“温度のある作品”にできたと思います。これから寒い季節になってくるので、カイロのようにその熱を感じて、手元に置いて楽しんでもらえたらと思います」

【デジタル限定版】似鳥沙也加写真集 ふれあ、
【楽天Kobo限定版】似鳥沙也加写真集 ふりる。
価格:各3,300円(税込)
発売日:発売中
発売・発行:株式会社KADOKAWA
https://www.kadokawa.co.jp/product/322508000216/

プロフィール

1993年9月28日生まれ。福岡県出身。
「#インスタグラビア」のハッシュタグで投稿していたグラビア風の世界観が国内外問わず大きな反響を呼び大バズリ。現在は電子書籍で異例のセールスを記録しており「電子書籍の女王」との呼び声も高い。唯一無二の存在感でタレント、グラビアアイドル業でマルチに活躍中。現在ハマっていることは「ヴィンテージグッズ集め」。
Instagram:@uw.sayaka
X(旧Twitter):@nitori_sayaka

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